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2017年5月9日火曜日

TPP11

最近のTPPの動きを日本経済新聞の特集記事から整理。

環太平洋経済連携協定(TPP: Trans Pacific Partnership, Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)をアメリカ抜きの参加11カ国で発効させようというTPP11が始まっている。

○日米交渉の防波堤に
・TPPは域内の国内総生産の6割強をアメリカ、2割弱を日本が占める。
・日本は「事実上の日米自由貿易協定(FTA)」と見てきたが、合意ルールが維持されればアメリカ抜きでもメリットは大きい(外資規制や国有企業の優遇緩和が進み、日本企業が進出するための環境整備が進む)
・TPP11にカジを切った最大のきっかけは対アメリカの通商戦略だった。
・TPPが消えて無くなればアメリカに対抗できない、存在しているのが何より重要だ(TPPを防波堤に活用する戦略に切り替えた)。
・TPP11を日本主導で整備し、時間をかけてアメリカを引き戻したい考え。
・TPP11を発効させるには11カ国の再合意が必要である。

日本のメリット


○焦るアメリカ、対FTA強硬に?身構える農業・車
・トランプ政権が目指しているのは日米FTA、日本がアメリカ抜きでTPPを進めれば、アメリカ政権は対日FTAを急ぐ必要が出てくる。
・アメリカ通商代表部は農業分野の拡大において日本が第一の標的になると公言、山本有二農林水産省はTPP11を慎重に考えたいと漏らす。
・アメリカとの2国間交渉においては農業分野は日本が不利との見通しが多い。
・15年に大筋合意したTPPで、日本は国内農業の影響を和らげるため、米、牛豚肉、乳製品など重要5品目を「聖域」と位置づけ、農産品全体の関税撤廃率を81%とし、12カ国中で最も低く抑えた。
・これは国内の反発を抑えるギリギリのラインであった。
・日本商工会議所の三村明夫会頭は「日本はグローバル化の中でしか生きられない」と語る。
・そうであれば、並行して進む多角的な貿易交渉を活用して有利な条件に持ち込むすべを磨くしかない。

○アメリカ離脱、しぼむ魅力 参加国の思惑交錯
・経済効果が低下する中にあって、欧州連合(EU)など他の国・地域との自由協定(FTA)に注力すればよい(ベトナム等)、そんな声がTPP11の新興国で高まっている。
・アメリカが抜け、ペルーやチリは中国の引き込みも視野に入れる。
・英国のEU離脱決定やトランプアメリカ政権発足で、世界の通称ルールは逆回転の危機にあり、高度なルールを備えたTPPを生かす意義はなお高いとも言える。
・各国を引き寄せる魅力をどこまで戻せるか、交渉を動かす日本の課題は大きい。

各国の事情












(仙台生活39日目)

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