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2017年2月28日火曜日

2017年2月の言葉を総括

ことし飾った日めくりカレンダーには毎日の言葉として故事ことわざ慣用句が記されている。
古きを求めて新しきを知る;2月分の28の言葉を見直してみる。

○四季風呂暦
2月 梅湯
咲き頃の梅の花を花瓶に生けて、浴室に置くことによって香りがこもる。植物に含まれる芳香物質をかいだり、肌にすり込んだ入りして健康作りをすることをアロマテラピーといい、梅の香りもストレス解消に効く。

○日々の言葉
・学問に近道なし
・水は逆さまに流れず
・明日のことを言えば鬼が笑う
・赤子は泣き泣き育つ
・朱に交われば赤く染まる
・三人寄れば文殊の知恵
・長い目で見る
・柔よく剛を制す
・窮鼠猫を噛む
・花は根に鳥は古巣に
・千里の道も一歩より起こる
・小さな流れも大河となる
・草を抜かざれば木も茂らず
・惚れた病に薬なし
・鹿を追う者は山を見ず
・近道は遠道
・隣の花は赤い
・彼も人なり我も人なり
・鉄は熱いうちに打て
・老いては子に従え
・驕れる者久しからず
・猫を追うより魚をのけよ
・人と屏風はすぐには立たず
・人を以て鑑となす
・蹴る馬も乗り手次第
・言いたいことは明日言え
・木を見て森を見ず
・明日は明日の風が吹く

確定申告終了!

平成28年分の確定申告が終了しました~。
ふるさと納税分ですけどね、けっこう戻ってきました(笑)
納税手続きは国税庁のホームページから入って必要書類を作成して税務署に持って行くと時短にもなってラクですよ。
国税庁のページ:https://www.keisan.nta.go.jp/h28/ta_top.htm#bsctrl

首都圏ではふるさと納税で税収が大きく減ったことが最近のニュースで取り上げられていたのを思い出しました。
寄付金額ランキングをみると、宮崎県都城市、静岡県焼津市、山形県天童市、鹿児島県大崎町、岡山県備前市など地方都市が上位に名を連ねています(ふるさとチョイスより)。
過熱化する返礼品の問題はあるとしても、地方の特色は出ていて、努力した自治体や産業界が上手にお金を集めているような気はします。
結局は返礼品として物が回ればその地域の経済を回すことになりますからね。
あとは、収支の方の舵取りができているかどうかでしょうか。
確定申告の手続きを終えてぼんやりと考えてました。


2017年2月27日月曜日

第22回全国青年女性漁業者交流大会に向けて

今日は第22回全国青年女性漁業者交流大会に宮城県代表として出場する歌津青年部と唐桑女性部の発表練習に立ち会いました。
両者とも仕上がりは上々ですね!
無心となって、ベストを尽くすよう心がけ、頑張っていただきたいと思います。

スライドをみて今の復興状況がどうなのか気になり、普段からみている景色なのですが、少し街中で足を止めました。
同じ景色なのですが、また違った景色のような・・。
まもなく震災から6年、一歩ずつ一歩ずつ。

南町紫市場方面
海の市方面













2017年2月26日日曜日

剣道(2017年2回目)

今年の剣道2回目、なかなかできない。
それでも体力維持に始めた朝ランの効果か?小畑先生から引き締まったね!のひと言。
まずは小さなところからスタートするのが大事ですね。
集合写真










剣道:グリンピア岩沼(基本稽古、互角稽古)
白石先生、小原先生、齋藤先生、稲葉さん(北海道)、滝澤さんと稽古。
・小畑先生:打ったときは相手のアゴまで切り落とすつもりで振り切る。また、様々な素振り(普通、重い、軽い竹刀や木刀;立振り、座振り)を普段から実践するように。
・齋藤(浩)先生:自分のエリアに相手を入れない気構え、迷いなく打ち切る。

○じゃっぽの湯
ひと汗かいたら温泉へ、かなり久しぶりのじゃっぽの湯(青根)です。
気持ちいい~ですね、310円です。
じゃっぽの湯
雪が残る道路











○おかめちゃん
気仙沼へ帰る途中に立ち寄った広島風お好み焼きのおかめちゃん。
名前は可愛いけれど、味もすごい。
本場広島で修行された奥様の作るお好み焼きは鉄板!今日いただいたおかめちゃんスペシャルは味、量、コストともにばっちりでした。
ごちそうさまでした。

おかめちゃん
おかめちゃんスペシャル











2017年2月25日土曜日

ひな祭りコンサート

第5回目となる気仙沼ひな祭りコンサートに参加させていただきました。
気仙沼出身のシンガーソングライター熊谷育美さん、ジャズピアニスト岡本優子さんの生演奏にTBC東北放送の粟津ちひろさんが司会を務める豪華な顔ぶれです。

スタート
岡本優子さん


熊谷育美さん

トーク


















気仙沼の新酒地酒(角星、男山)を嗜みながら、平野商店のうま造りで調理された料理の数々、まさに至福のひとときでした。

春の新酒~♪
三食丼


大根のきんぴら、おひたし

ライスボール

玉谷さんちの野菜炒め

炒め物



























最後はみんなで記念撮影!
気仙沼スペシャルナイト!ありがとうございました。


集合写真












<おまけ>
お土産にいただいた平野本店の「うま造り」とかわいいチケット

うま造り
チケット












2017年2月24日金曜日

プレミアムフライデー

今日は政府きもいりで設定されたプレミアムフライデー!
なかなか勤務時間の規定があるし、社会的にはほとんど浸透してない感じですね。
消費喚起?のために始まるお休みというのも変ですが、それはさておき、お休みは大事です(笑)、仕事の合間を縫って適宜お休みをもらいたいと思います。

さて、最近は自分を知るために体重計で毎日朝晩の体重と体脂肪を測っています。
まずはベスト体重に向け、減量5kg!

気づいたこと:朝は前日夜に比べて体重が減り、体脂肪率が上がる傾向にあること

睡眠により、水分が飛んで体重は減る。また、体脂肪は寝てる間に蓄積されると言うことの表れなのでしょう。
夜は日常の活動で消費して?体脂肪はおおむね低くなるようです(逆に体重は増えている:笑)

ということは?例えば、夕食を減らすと言うことは理に適っているのかもしれない。
まぁ、寝る前の2時間は食べないようにしながら腹8分目くらいまでで抑えるという指導もあったりするし。

体のメンテをしっかり考えよう・・みたいなプレミアムフライデー。

2017年2月23日木曜日

北かつまぐろ屋海の市店にて

気仙沼魚市場の横にある北かつまぐろ屋海の市店さんに来ました。
外観











なんと店内にはお世話になっている組合長!?奇遇ですねとカウンターに向かうとこっちへ来いと・・はい・・そして店員さんにはもう1つ追加を頼むよ・・のかけ声。
いったい何が来るのでしょう?
ねぎま鍋セット(1,380円)
マグロの賄い丼











おっ!?2月限定のねぎま鍋セットです。(*≧∀≦*)
ねぎま鍋の他にマグロの賄い丼と小鉢がついてます。

おいしいですね~まだまだ寒い東北、体が温まります。

ごちそうさまでした!


2017年2月22日水曜日

被災地派遣者研修

連日の仙台出張です。
今日は宮城県庁で市町村への災害派遣者研修を受講してきました。

分野が変われば知らないことばかり、メモメモ

1.災害対策基本法(戦後の防災法制度・体制の歩み)の歴史
①昭和34年「伊勢湾台風」が災害対策基本法の制定の契機
②昭和53年「宮城県沖地震」により新耐震基準導入の契機
③1995「阪神淡路大震災」で防災基本計画の全面修正
④2011「東日本大震災」H23:津波対策関連の法律,災害対策基本法が改正
 (H24:第1弾改正,H25:第2弾改正)
⑤2014「広島土砂災害」
 災害対策基本法の改正,土砂災害関連法律の改正

2.自治体の発令する避難情報(平成28年12月26日より新名称)
①避難準備・高齢者避難開始
②避難勧告
③避難指示(緊急)
(①→③になるに従い危険度大へ)

県庁を眺めながら(笑)









2017年2月21日火曜日

H28年度水産青年フォーラム

秋保温泉「岩沼屋」で行われた平成28年度水産青年フォーラムの防備録。
温泉はいらずに帰ってきました(泣)
秋保温泉「岩沼屋」











基調講演「漁業権を学ぶ」(北海学園大、濱田武士教授)
資料に基づいて漁業権の概要を説明した。
・宮城県は統計上で後継者確保が日本一になった。
・海と資源と漁業(公有水面、無主物):自由だけど放置しておくと紛争が絶えず、先達の知恵、安心して漁をするために設定。
・漁業法:漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって水面を総合的に利用し、もって漁業生産力を発展させあわせて漁業の民主化を図ることを目的とする。
・日本の漁業制度:法律、漁業調整規則など県域・広域の公的規制、漁業権行使規則(公的に定めた自主規制)、民間協定(自主規制):統治、自治
・漁業の制度区分:漁業権漁業(漁村の経済を考えたもの)、許可漁業(本来なら規制)、届出漁業、自由漁業:知事管理と大臣管理:漁業権は浜で漁業を営む人たちのための権利である(漁業権は漁村の経済を考えた漁場利用を前提)。
・漁業権の法的な特性:漁業権者が持つ排他的独占できる水域の区画(漁場)を持つ:縄張り設定。(その地域に与えられたものだが、期間がある)。
・漁業権の種類:①組合管理漁業権(複数の人たちで漁場を利用する): 同漁業権、特定区画漁業権、②経営者免許漁業権(特殊な技術とお金が必要、漁場を囲い利用する):区画漁業権。定置漁業権
・漁場利用:漁場には他の漁業が輻輳する。
・漁業権は漁民を守るための入会権:漁業権は入会集団に与えられる権利(先住民を守るための権利)
・入会集団=漁協:入会集団を法律で組織化する必要がある(水産業協同組合法)→漁業協同組合(地区漁協)
・入会漁場は入会集団の「総有」
・集団の「共有」と「合有」と「総有」
・総有の財産:現在の集団ではなく、その子孫の財産でもある。また、子孫でなくてもその集団の一員になればその財産を利用できる。:漁業権は誰かに独占されているのではなく。地域に溶け込めるかどうかを問うている。
・漁業権をめぐる行政庁と漁協の関係
・漁場計画と漁業権免許の手続き
・組合管理漁業権のイメージ
・特定区画漁業権:直接免許ではなく、漁協が管理:集落で守ってきた漁場養殖開発に関わってきた漁協
・特定区画漁業権の優先順位:①漁協、②地元漁民7割以上を含む法人(漁協、漁業生産組合、漁民会社)、③7人以上で構成される法人、④第1位、第2位以外の漁業者または漁業従事者。⑤その他
・経営者免許漁業権者の適格性
・優先順位が意味するもの:域外よりも域内(漁村に利益がたまる)、個人よりも集団(漁村に広く利益がたまる)、未経験よりも経験者(利益を確保できる):漁村経済のための仕組みになっている。
・漁業権の管理者と漁民

2017年2月20日月曜日

成熟社会における持続可能な水産業のあり方とその中長期戦シンポ

成熟社会における持続可能な水産業のあり方とその中長期戦略(2016年11月/日本学術会議シンポジウム)の防備録


開会挨拶(渡部終五氏、長谷成人氏)
渡部氏
・東日本大震災からの復興に向けて関わりたいというのがはじまり。
長谷氏
・台風の迷走、大きさ変わってきている。
・魚種交代、かなり話が盛り上がる、北海道でサケ定置にブリが入るなど。
20年後、50年後などどうなるか。
・中国船のお話、1,000トンクラスの大型船
・世界の水産物のマーケットは大きくなっている一方で問題も。
・日本は日本の漁業実態を踏まえて
・定置網は沿岸漁業の4割、魚種は選べない。
・資源と産業と食文化を守るために

趣旨説明(帰山先生)
・人類は誕生以来「食べる」行為をとおして発展してきた(佐藤2016
1970年代 高度経済成長、1990年代 バブル崩壊と長い長期経済停滞、2000年代以降生態系レジリエンスの減少
・水産資源管理、水圏生態系の保全、持続可能な漁村社会の実現
・生産量変化;6種類が増加(9%)、58種類が減少(91%) 最近の動き
・秋田県ハタハタ;三位一体;水産試験場、行政、漁業者
・福島県沖ヒラメ資源のシミュレーション;禁漁状態でのヒラメの増加。大型魚の割合が従来の3倍に。効果的な海洋保護区と同じ役割になった。

1.日本の持続可能な水産業に向けて
江守さん
・近年の世界平均気温の変化;1980年から上昇、20002010年は高位安定、今年はまた上昇(エルニーニョの発生など)
IPCCWG1AR5より;二酸化炭素濃度上昇、北極海海氷面積減少、世界の海面水位上昇
地球の温度上昇はいろんな指標で明らか
20世紀半ば以降の世界平均気温の気温上昇の半分以上は人為起源の要因による可能性が極めて高い(95%以上);自然要因(太陽、火山)と人為要因
8つの影響;海面上昇、洪水、台風、熱波、食料不足、水不足、海の生態系損失、陸の生態系損失 IPCC WG2 AR5より
・適応策は多かれ少なかれ実施する必要性;水災害水資源、品種改良、熱中症など分野ごとに;社会のレジリエンス(強靭さ)の向上、特に途上国の開発のための政策に組み込むことが重要
・温暖化を何度で止めるべきか?の議論;「何を避けるべきか」「何を守るきか」は社会の判断による。
・観点の違い;固有の生態系や文化、極端な気象減少、影響の格差、世界経済、大規模な特異現象
パリ協定;世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する
・日本はTPPの議論で遅れていた。
・気候変化シミュレーション;2℃未満を目指した時と対策なしの時の比較;2100
・今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を達成する。
・排出削減対策のメニュー;省エネ、再生可能エネルギー、原子力、火力発電の効率化、燃料使用の電化、水素化、バイオマス化、森林減少の抑制と植林、メタンふろんの対策、革新的な技術、革新的な社会構造の変化など
・気候正義;先進国と発展途上国の問題;
トランスフォーメーション;単なる制度や技術の導入ではなく、人々の世界観の変化を伴う変化
・ゴールの方向性の共有、様々な取り組み、勝者と敗者のサポート
・世界のCO2排出量はすでにピークを迎えた?international Energy Agency2016IEA analysis for 2015
Q;南半球の温度上昇があまり大きくなかったがなぜか?
A;深層循環などの影響など
Q;トランスフォーメーション、どういう形で起こるのか?起こりえるのか?ボトムアップそれともトップダウン
A;途中までは倫理的な、社会的なリーダーシップ、途中からはなし崩しにみんなが従うなど、なっている。最近の日本の動きだと分煙とか。行政がアジェンダ、法律を作ったり、ある段階を超えるといつの間にかそうなっている。

日本の水産業の特徴と変遷(八木さん)
・平均的な魚がどうなっているか。
・資源の減少が叫ばれる中で買い手がつかないで捨てられている魚も多いのはなぜか?
197095年頃の好調は国際規制前の遠洋漁業(400万トン)とマイワシの急増(400万トン)で大部分は説明可能
1996年以降;水産資源枯渇が原因との説(藻場干潟の減少、温暖化、埋め立て、ナルトビエイ;資源と水揚げが比例との仮定;サイエンス、BORIS WORMさん;漁獲データは資源の増減を反映していないなど(禁漁を反映していないなど STEVENさんが反論ウォームは2048年崩壊説を事実上撤回;海中の魚の量と陸揚げされた魚の量が比例するとの考えは弱体化;レイさんと共著)
・生産者減少が原因との説(逆にも取れる;因果関係が不明、どっちが先?)、2000年代に入ってからは若い漁業者は減っていない。コントロール(対照区)を見る;漁業資源には関係ない似たような事例;米、生産者数と生産量の関係;ノルウェーの漁業;漁業者は減っているが天然漁獲は横ばい、増殖増えている。ドイツは船の数減少、天然・養殖とも減少、イタリアも同じで日本に近い。スペイン、フランスも減少、天然減少の動き。中国は漁業者数水揚げがともに上昇、ミャンマーやインドネシアも上昇(FAO統計から 漁業者数、水揚げ天然、養殖の動き)
1990年以降、漁業生産の減少は先進国では一般的。農業も同じ現象。働き方がシフトしている、労働市場に着目した雇用対策の方が有効。
生産量を維持したいなら需要側の動きを注目
・第二次産業、第三次産業に労働がシフト、日本の食のライフスタイルの変化、
・日本では生産が抑制されているにもかかわらず、資源が定位なのはなぜか?
・日本の水揚げ量が減少したのは漁業労働者の数が減ったため。
・店に並んでいる魚の量が減ったのは消費が減退したため。
水産資源の回復は食料安保政策(無理に回復する必要はない)
・地域の雇用や社会を維持する上での産業維持政策は必要である。
成熟社会到来説(私は推奨)
Q;資源管理はどの程度役割を果たしてきたか?
A;私個人としてはTACはあまり効いていない。日本はもともと免許制度を持っていたので、従来からの漁業管理が効いていたと思う。その論拠にTAC魚種は他の魚種に比べてふえているだろう。
Q;獲っても高く売れない?
A;若い人が入ってくるのは生活ができるから。年寄りは年金をもらいながら、若い人のあるところが儲かっているところ。
Q;漁獲量を回復させることより需要を喚起させること、アイデアは?
Aライフスタイルの変化による。家事だと15分以内とか。需要を喚起するとはお手軽を出すなどある。

木村さん
・エルニーニョが発生すると、うなぎの来遊量は半減する。
・マグロ類の資源が減少している。

2 我が国を取り巻く海洋環境の変化と海洋生態系
漁業管理のあり方(山川先生)
・世界の漁業と海洋生態系が危ない?の論調
・ウナギ資源の世界的な激減
・漁業下落説;栄養段階の低下
・水産資源の特徴;自立更新性(自然・生態系との付き合い方)、無主物性(共有地の悲劇)、不確実性という3つの特徴(親の仇と魚はとれるうちにとれ)
・レジームシフト;十年からの数十年規模の変動;不確実性への対応としての順応的管理
HCRモデル;日本の資源に対するABC算定モデル
・管理目的・評価基準;現実世界(モニタリング、観測値;現実世界の状態)とバーチャルの世界(仮想現実モデルの動態、状態)管理戦略と管理行動の決定
・レジームシフト概念からの教訓;資源水準が低下し始めた場合の漁獲のあり方(戦略)をあらかじめ想定して、設備や管理制度の中に組み込んでおく必要がある。(盛者必衰の理)
・どのようにすれば資源を適切に管理できるか;漁獲によって発生する外部不経済(資源の減少など)を自己の不経済として体現(内部化)する仕組みを作る
・無主物への対応;資源を私有財産権等に分割(IQITQなど)、資源の利用権を特定の漁業者グループに与えて協調的な管理、国が一元管理、炭素税などによる縛り。
・入口管理と出口管理、質的管理と量的管理
・資源管理の枠組み;分権型か集権型か;たてIQITQTAC、漁業権漁業、横資源評価モニタリング、管理規制内容の決定、権利意思決定
・共有資源のガバナンス;1国家による解決、2市場による解決 第三の方法;セルフガバナンス(自主統治)ELINOR OSTROMさん2009年ノーベル経済学賞受賞
沿岸漁業;多様性、多様な魚種の供給、コミュニティ 
沖合漁業;効率性、食の安定供給
・分散型資源評価の例;北海道マアナゴ資源管理支援システム;データベースが漁船に組まれてどこが多いか見ることができる有望なシステム
・政策選択肢;グローバル競争シナリオ、生態系モザイクシナリオ、国家食糧供給保障シナリオ
・大西洋クロマグロの資源回復
・東京湾でも魚種交代?カレイ類などの食用魚類が減少、ホシザメやナルトビエイが増加
・日本型TAC管理;トップダウンの決定と自主的管理
・資源が回復すればすべて解決か?資源が回復してもとる人が少ない。
・日本国内におけるこれからの漁業問題;資源過剰漁獲のリスクよりも過小利用のリスクがおおきいのではないか?
・肉類と魚類の逆転、魚離れ、
・海洋生態系のバランスのとれた賢い利用;生態系上位魚種の専用食用を避ける、下位の魚の有効利用、ビジネスモデルに持っていけるのか?

グローバル時代における日本の水産業;これからの養殖(升間先生)
・日本の海面養殖の始まり;明治40年にクロダイ、マダイの養殖を始めた。
・ノルウェー6種、中国は13種、チリ6種、日本9種、イギリス5種類など
・ぶりは養殖がずっと多かったが、今は天然も伸びてきている。100%天然種苗。
・マダイは養殖が多く、人口種苗も活用されている。
・現状と課題;国内生産量(消費量)の伸び悩み;ぶりは海外展開など、経営対数の減少と大規模化、生産量は減っていない。生産コストの増大(種苗とエサ)と魚価の低迷、養殖種苗(原魚)の安定供給と安全性、天然資源の持続的利用、ASCなどの認証制度への対応
・近大水研;種苗の提供事業、たくさんの親を飼育している。
・最近ではマダイ、トラフグ、ヒラメ、シマアジが上位に要求されている。
・グローバル魚種ーブランド化ー大規模化ー海外戦略;天然種苗ー環境保護ー認証制度、資源管理の枠組み;地方戦略と生産技術の高度化(種苗の安定供給効率化、コスト削減、育種、魚病の発生防除、魚種の多様化;希少魚種);完全養殖
・これからの養殖;
1 単一魚種の量産化を進める一方で新たな養殖対象魚種の開発(魚種の多様化)
2 消費者が興味を引くような品質開発とブランド化
3 魚粉・魚油の代替原料の開発
4 海外での和食の広がりと健康志向を基にした海外戦略
5 製品を折り紙つきとするための認証制度への対応
6 天然に依存しない完全養殖の拡大

成熟社会における地方の人口減少・高齢化の現状と問題点(中嶋先生)
・示された方針;悲観論的アプローチ;対処療法、楽観論的アプローチ1;人口維持背策を施して成長を目指す(政府の方針)、楽観論的アプローチ2人口減のまま、新しい社会のあり方を探る(ここでのポイント)
・論点;国内マーケット、労働力、社会基盤
2014年;まちひとしごと創生法が施行
2040年から2050年をピークに減少する。
・地方創生における課題と対策;1 東京一極集中の是正、2 若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、3 地域の特性に即した地域課題の解決
・高齢化と生産;高齢者がフル活躍できる一次産業への配慮が必要(フェイズ3
・小さな拠点の形成が必要;
暮らし方革命(コンパクト化、社会を維持するための最低限の人数)
生き方革命(個々の人生、家族のあり方、コミュニティを再設計)

水産流通・加工・市場と地域振興
1水産流通加工市場の動向
・漁船隻数の減少(稼働隻数)、加工流通は様々な指標、減少傾向といえる
・市場;食生活経済指標の変化;バブル崩壊後は軒並み減少、魚介類は減少が大きく回復が遅いようだ。
・沿岸漁村地域;人口は減少、高齢化(日本全体に比べて10ポイント高い;加齢先進地?)、
;食糧安全保障の問題や地域崩壊の問題
・地域の価値;くらし、収入、生きがい、生き方、希望、食糧供給の場、均衡ある発展、多面的機能、豊かさ地域振興が重要(高齢化しているが元気、不便だが幸せ)
・地域振興;古くて新しいテーマ;1960年代人口流出、産業振興、1970年代企業誘致、外来型アンチテーゼとして一村一品運動、産業振興を通じた地域振興限界に直面、1990年代海業論、6次化、水産ビジネス 発展今日地域創生がキーワード どのような政策ベクトルが?
・本質;漁村地域資源を活用した地域経済の活性化;外貨を稼ぐ(水産物でいうものをイキガイニムケテ輸出する)、ないかを稼ぐ(人を呼び込んでサービスを売り、域内で経済を回す)新たな地域活性化政策;浜プラン、6次化論;水産物資源を念頭、海業(水産資源海上資源等を念頭)
6次化政策;2010年3月6次化法;農山漁村者の就業機会を作り、追加的所得の確保
1農林漁家による加工流通小売販売飲食業への直接進出、2難しい場合には関連事業者と連携(27条)2つの方向性
・背景;条件1 生活の力点の変化;昔は家とかだったが今は余暇や食生活を充実、日本には大きな食ビジネス空間の存在、食と農の乖離(いかに埋めるか、ビジネス空間)2 成熟社会を迎えている(生産者と消費者の結びつきを強めること;流通チャンネルの中身をいかに減らすか)
・水産業は6次化でどんな感じか?;認定事業者数の数は2176件のうち水産業はわずか。なぜか?
・水産制約の条件;1事業ドメインの拡張;先住民=水産魚の存在、伝統的な仕組み=漁協共販、漁協のリスク負担力の弱さ 2連携 先住民はライバル、経済性→6次化をすすめるには?皆がwin-winになるための仕組みに対する議論が必要。
・海業とは;国民への多様なニーズに応えて海、景観、伝統文化などの多様な地域資源をフル活用して展開される漁業者を中心に展開される地域の活動
・多様な漁村地域資源;たくさんある(水産白書;平成24年;p130
・愛知県三河三島、成功した島と失敗した島なぜか?;海業産業クラスターの形成、域内利益循環の仕組み(漁協と観光協会の連携)
・冊子;海業の時代;個別経済的、地域社会的、国民経済的;食糧安全保障問題
・地域のダイナミズム、経済は融合する、縦割りから総合政策へ
2漁村地域振興の方向性
3漁村地域振興政策の意義と課題
浜プランが中心だが、その前の段階である6次化政策の今(浜プランを取り上げない理由はあとから)
海業

日本の置かれた状況に見合った人材育成ー海外との比較も含めて(牧野さん)
1 日本水産業を取り巻く生態的社会的状況
・地理;日本周辺は世界三大漁業の1
・世界第5位の生産国、世界6位のEEZ(中緯度で南北に;多様性、親潮黒潮、UNEPの生物多様性のマップ)、
・漁獲物の多様性;緯度と多様度指数
・たんぱく質供給源としての日本の位置付け
・地域の基幹産業としての水産業は;日本の沿岸には6000以上の漁業集落、2900以上の漁港に18万隻以上の漁船、地域の基幹産業、高齢化、約60%が55歳以上35%以上が65歳以上(皆元気)

2 これからの日本水産業の課題
1共同管理の高度化;日本は共同管理が発達、欧米は政府管理が主流。業界と行政と科学の連携が不可欠。アジアが漁業の中心。アジア太平洋の水産業は日本との共通点が多く、共同管理が現実的。
コマネジメントのみが世界の漁業における多くの問題を解決するための選択肢(2011ネイチャー)
2地域を支える;条件振り地域;多様な利害関係者と共に問題を特定し解決策を同定し、それを実装していく作業が必要である。フューチャーアースの概念、ステークホルダーを交えた
3沿岸生態系保全;地域漁業者が地域の生態系の保全や修復に積極的な役割を担っていくことが大事;マリンポリシー冊子、知床2013
4消費者の役割;消費者自身が水産物に関する理解を深め、正しい購買を行うことが大事。
・水産機構のシュンプロジェクト;資源、生態系、環境管理、地域の持続性、安全安心の5つの軸;元データはすべて公開;エコラベルをとるときなど活用を想定、携帯アプリで双方向の情報交換、研究の方向性など。
3人材育成の方向性
1生産者;各ライフステージで必要な教育(生涯学習の仕組みを強化;組合学校の拡充)、現場発のイノベーションを誘発(漁業士制度の強化拡充)、消費者からのフィードバックに基づく漁業創業や管理内容を変更改善(加工流通業者とビッグデータを活用;大きな魚ではなく価値ある魚)
2普及指導員・団体職員
・共同管理を高度化するために役割は極めて重要;水産に関するサイエンス・コミュニケーション能力の訓練
成熟社会ではまとめる役;コミュニケーションやファシリテーション能力
3研究者
これまでどおりの深く鋭い専門研究に加えて水産業全体を統合的に分析し使いやすい形にする人材が必要;現場参加型
4消費者;正しい水産物を選び取る;広い意味での食育であり、学校教育や地域の障害プログラムとして実施、特に女性や若者の新しいアイデアやセンスに期待
5国際的な側面;アジア太平洋諸国やアフリカ沿岸国などと魚食国との連携が(魚食国アライアンス);海の恵みを人類が持続的に利用できるという基本的な価値観を共有できる人材の国際ネットワークWho's Who的な。人材リストも有効。
・水産セクターの外を見たときに水産セクターが求められるものは何か(水産セクターはアドバンテージが大きい)他の学術分野にも貢献できる。

総合討論
1コメント
瀧澤さん;科学ジャーナリスト、水産、お寿司文化の理解を。課題はあるが感触としてはイノベーションの源泉ではないか。江守さんのトランスフォーメーションが必要との意見は共感でき、つなぐ役割など考えたい。
中原さん;日本海洋政策学会の立場;海洋産業研究会1970年代誕生、漁業は産業、企業体、漁業を他の産業との関連をさらに進めなければならない(とはいえ、漁船の建造には造船の技術、魚探では音波の技術、衛生情報の活用などリンゲージは進んでいる)。
長谷さん;漁業調整が多かった(資源管理含む)、漁業者との仲介役、八木先生の漁業生産の話、よくよく聞くと売れない魚が減っているとか・・確かに。診断が正しくないと処方箋は正しくならない。マスコミ受けするのはセンセーショナルなもので実務をする者からすると首を傾げたくもなることもある。バーチャルは現実に戻すとどうなるかは大事。産業政策と地域政策の狭間、しかし、国内鎖国的な発想ではダメで、そこで生き残れるには競争力のある漁船は残す必要がある(大中まきも規制を受けている;海区;気候変動;保護は必要)。バランスの確保が大事。外部の企業の参入も打ち出していきたい。win-winの形に。内向きの水産だけの話でなく外向けにも。

2帰山先生;提言案へのご意見(7つ)
・持続可能な水産業の構築に向けて;フューチャーアース(2013);海洋生態系と水産業
1)すべての人への水、エネルギー、食料の提供を管理する
2)人間の福祉を支える陸上、淡水、海洋資源を保護する
3)変化する生物多様性、資源、機能の中で、持続可能な農漁村開発を促進する
4)人々の健康を改善する
5)構成で持続可能な消費と生産のパターン
・順応的な管理;水産業と海洋生態系の持続可能性

7つ;持続可能に向けた提言
持続可能な水産業;バックキャスト方式による生態系アプローチ型管理
持続可能な水産業のためのガバナンスの確立(責任者)
効果的な海洋保護区と禁猟区の設置
沿岸生態系の保全と回復および持続可能な漁村の構築
国際的貢献とそのリーダーシップの発揮
海洋モニタリングの継続とビッグデータの管理、海洋生態系と生物資源変動予測モデルの構築
教育のパラダイムシフト(日本の食文化は高く評価されているが、国内では廃れている;広い知見の分離融合型の水産科学がこれから必要)

2010年マリンポリシーやぎさん、日本は海洋保護区の先進地、外国はクオータ制、海区の制限は外国ではない。日本は海区制限、その地区をその人が保つのはやりやすい。そんな話をしていたが違うようだ。

長谷さん;水産はアジアが主だが、ルールは依然としてヨーロッパが作っている。世界6位のEEZでこの体たらく(しかし、世界6位の生産)

中原さん;燃料をLNGに変えるとか。沿岸から沖合の方に養殖というお話あった、今の時点で棚卸しすることも必要でしょう。IOTなど。アウトプットは水産物となるが、多角的に捉えてほしい。ガバナンスのことは資源管理、漁業者は海域の先行利用者、協調体制、ステークホルダーにも距離感や位置関係はバラバラ、どういう視点からするのかが大事。海洋保護区はノーアクセスノーテイクにリミテッドを加えて;どの程度の付け加えをするのかはサイエンスがするのだろう。
瀧澤さん;国民全体が水産物を過小評価している。価値の変換は必要で、海業は大事になる。若者の漁業集魚者が減ってない?後押し。学位を取った人が鳥羽で海業、民泊などで外国人に海の魅力を紹介するなどしている。海業を充実させてほしい。科学ジャーナリスト会議;持続可能な漁業;欧米のスタッフから日本は資源管理ができてないとの批判;そんなことはないと説明。日本の取り組みをPRなど。

3フロアから意見をもらう
・漁業共済組合理事;漁獲量が減ったのは漁業者が減ったから、漁業資源のアンダーユース問題;資源を利用する人間が少なくなっているのなら、外国から呼んで活用すればという漁業セクターを超えて取らせればの議論もあるだろう。中長期戦略はどの立場を持つかで変わる。

国連海洋法条約;沿岸が取る量を決めて余ったら海外への話もある。多分、保全のために資源を残しているのは外国に資源を取らせよとはならないだろう

海洋保護区はいろんなパターンがある。日本にあった海洋保護区をいかに作るかだと思う。禁漁になって魚が増えた事例、ホッケが減った;小型化;

若者にいかに魅力的な浜を作っていくのか?




2017年2月19日日曜日

水産物の流通はどうなっているか?

H28年度海と生きる連続水産セミナー第1回講座(気仙沼市/H28年12月)からの防備録。

水産物の流通はどうなっているかー産地の方向性とマーケティングの可能性を考えるー(中原尚知准教授)
・流通に関して数字を元にお話する、マーケティングの視点も入れてみる。
1;産地の課題とマーケティング
・産地の課題ー復興にかかる問題点;(販路の確保・風評被害44%)誰に、何を、どうやって、   売っていくかが大きな課題
・対策;既存の販売チャンネル以外における販売26%、新商品の開発25%;水産白書より
・ドラッカー;販売とマーケティングは同じではない;販売志向(製品の販売;プロダクトアウト)と消費者志向(消費者ニーズ=マーケティング;マーケットイン)→統合的であること
・コトラー;自分で制御できる要素について、考えうる最善の手段を尽くし、消費者・顧客・自社の満足につなげること(4p;場所、プロモーション、価格、製品)
・顧客の問題=消費者の問題とは限らない;誰のニーズに応える?
2;産地と消費者の間はどうなっているか
・今後消費を拡大したい分野(野村総研調べ);日常的なところ(食料含む)にお金を使うという結果
・最終的な魚はどこで売るべきか?;どこで買っているのか;日常的なものはスーパーが大きく、近年はEコマース(インターネット)が伸びている。スーパーが圧倒的である。
・水産加工品の生産量は下降傾向で推移;割合の変化はみられない。
・中食市場の成長(惣菜白書);最近10年間で20%の伸び
消費地市場経由率(2012)で53.4%;ビジネスの中身は変わって来ている
3;産地におけるマーケティングの余地
・産地と食の距離
・産地として誰に何をどうやって売るのか?
・低コストでリーダーになるか集中差別化を優先するかの2つ;差別化戦略が有効と考えられる。
・ハイブランド、ミドルブランド、ローブランド、コモディティ;差別性、希少性、有名性
・自分の製品がどんなバリューチェーンに乗っているのかを知る必要がある。
・ブランド化ビジネスとコモでティビジネスの使い分け;コモディティがブランドを作るという見方もある。
・他者との協調の中で一体となって進めていく。産地と消費者の間に距離があるということはマーケティングの余地があるということ、サービスや情報を付加して見える化すること。

Q マーケットの考え方など参考に、差別化戦略としてブランド化;地域ブランド化をするときの大事な要素として製品レベルでは階層分けがある。協調して進めていく。

唐桑町天皇杯のお話もマーケティング。
需要拡大への効果を発揮する可能性も十分にある。
フィードバックも欲しい。

4 質疑応答

天然魚、消費地の方で売りにしようと・・産地からうまいアイデアがなく、消費地から。
機会を増やしていくとか;養殖;相対的にコントロールできない。

天然魚のブランドはある;スペック、取り方、鮮魚 不確実性はある  取れないことも意味はある 手を伸ばす消費者に見えるようにする 産地としての動向を見て戦略を立てる。ちょっと見えるようにするだけでも意味はあり仕組みを作る必要がある。ニーズはあるが・・産地ともに。

6次産業化。


漁業の6次産業化と連携の経済性

フードシステム学会;漁業の6次産業化と連携の経済性の防備録(2016年12月より)

モーデレーター(海洋大、中原さん)

趣旨説明
制約条件を克服し、いわゆる「双益関係」(win-win)をもたらす連携のあり方に焦点を当てる。
・キーワードは「連携

<説明の組み立て>
趣旨説明
本日の構成
研究会の進め方
事実確認の質問、総合討論

報告1 漁業の6次産業化連携の諸問題(海洋大、婁先生)
6次産業か政策>
・政策の方向性、制約条件、連携の経済性と可能性
6次産業化政策;6次産業化法(6次産業化法・地産地消法);地域資源を農林水産物に限定、事業主体は農林漁業者
方向性1:農林漁業者による加工流通小売飲食業等への直接進出
方向性2:農林漁業者と加工流通小売飲食業者との連携の推進
・背景;生活力点の変化、巨大な食ビジネスの空間
<動向と制約条件>
6次産業化の動向と特徴;水産業の占める割合は7.5
事業進出の制約条件:水産業とのバッティング、共販事業とのバッティング、経営力不足
連携の制約条件:連携先の不在、連携メリットの欠如
<連携の経済性を巡って>
・スポット取引と連携の違い
・連携の経済性と原理;経済学的アプローチ規模、範囲
          ;経営学的アプローチ戦略論、組織論
・漁業における連携の諸形態;垂直的連携(加工流通小売飲食観光;商品づくり)、水平的連携(同業態間潜在的競争相手異業種)
・仕組みのエッセンス 産地ブランド;地域に権利、定価取引、産地ブランド計画生産、明確や役割分担、地域貢献
・水平的連携の事例;JF石川の朝市共同セリ
・連携に参加する経済主体の経済的メリットの明示的な認知が必要不可欠でコーディネータや行政の役割が重要。
・若者、よそ者、ばか者

報告2 地域を元気にする6次産業化〜漁業の6次産業化と組織連携のあり方〜
・双方からの視点を大切に(販売者の視点、地域の視点);行政がバランスをとる
・組織づくり;肩書きではなく役割の分担で;機能の組み合わせによる課題解決
・行政との繋がり、マスコミの活用方法が勉強できた
・市場と工場とブランドを持つ
・商品開発を通して学んでほしいこと;訛り、経済の流れ、起業家マインドの育成(仕事があるから帰るのではなく、仕事を作りに帰る)
・豊漁貧乏からの脱出;獲った魚の最大限価値のあるものに!;鮮魚は12日の価値、加工品は1か月〜1年以上
・全体の奉仕者(全体の奉仕者・公共性をやらない理由にチームにならない・実践に繋がらない)と一部の奉仕者(一部から始まるが、次第に渦が大きくなる実践を通して全体を巻き込む力に)
・ベースにある考え方;知産地笑(ちさんちしょう)
三方良しの考え方;売り手よし、買い手良し、世間良し(行政の協力が効果的);実践を進めていくと、結果的に上記の考え方につながる。連携に求められるもの。
・地域;一次産業の持続があって成り立っていく。
・元気な地域に共通のもの;自ら歯車をまわしている、盛んに交流が行われている、女性が元気

報告3 漁業の6次産業化と域内連携(中央水研、宮田勉氏)
現状で圧倒的に漁協=地域内連携
・域内メリット;地場産の価値、コスト削減、食経験と景観の価値(きれいな海を見ながら食べる)
・インバウンド消費;日本特有の食を食べる;寿司、魚介類、日本料理(観光庁2015訪日外国人消費動向調査より)
6次産業化の事例;福島県糸島市、北海道瀬棚町、北海道釧路市、長崎県諫早市
・事例紹介;カキ小屋、マイナー魚介類
・外食から生産者へのアプローチ;イオン、くら寿司、四十八漁場など;新たな連携、新たな関係、新たな取り組み

報告4 漁業の6次産業化と行政の役割(海士町、大江氏)
・生き残るための「守り」の戦略(行財政改革;削減効果2億円)、生き残るための「攻め」の戦略(島まるごとブランド化)
01隠岐の食文化の代表格;島じゃ常識サザエカレー
02全国初の養殖化に成功!いわがき春香
03鮮度・流通に悩む、離島ハンデを克服。自治体初!CAS(セルアライブシステム)導入、トータル5億円の投資(2台);地元の生産者が儲かるために。買取システム、従来の400円から800円に。
04島生まれ、島育ち隠岐牛のブランド化
05海士乃塩

漁業の6次産業化とビジネスモデル
・漁業の6次産業化の核心は連携にある。事例が多くないのは連携が進んでいないことの裏付け。
・水産白書による6次産業化;
6次産業化の定義;農林水産業、農山漁村と2次産業・三次産業を融合・連携させることにより、 農林水産物をはじめとする「資源」を利活用し、新たな価値を生み出す地域ビジネスや新産業を創出すること;具体例;水産加工、水産物直売、漁家レストラン、漁家民宿、体験・観光漁業、遊漁、ダイビングなど
6次産業化の諸相;農業の総合化農業を基軸とした地域産業複合化農商工連携海業漁村産業の多面的展開
・ビジネスモデル=ビジネスシステム+収益モデル
・ビジネスモデルの視点から見た6次産業化とは、漁村産業の多角化によって、漁業を起点とした水産ビジネスの新たなバリューチェーンを構築すること(誰が担うのか、組み替えは必要か?改善できるのかできないのか)
6次産業化の課題;誰とつながるか、ステークホルダー間でどのような関係を構築するか、付加価値をどれだけ創造するか、付加価値をどうやって配分するか

総合討論

Q行政の役割が大きいというのが共通していた。行政の長のリーダーシップを詳しく。
A海士町の場合は、給料カットもあるが、自分から身を切るというのが下に通じた。また、やりたいことを提案したことはやらせてくれる。事例がない、お金がないなど消極的ではなく、下の意見を取り上げてくれる。

Q 連携が全体のキーワード、規模の経済性、範囲などといった複数の組み合わせがもたらす経済性なら連携の組み合わせによってどの程度変化するのか、連携の経済性の考え方について。また、連携とも関連するが、プラットフォームを指摘していて、プラットフォームは大事な要素になるが、プラットフォームの中での行政の役割を教えて欲しい。
A 水産物流通システムの基本要素;価格、コスト、リスク効率性、安定性、機能性資源依存論、ニーズベース資源ベース、範囲の経済と連携の経済性。行政の役割について、行政が営業した事例、お金を出すだけでなくて知恵やつながりを出す。駆け引きはパイの奪い合いで発展性はない。連携の強みは100を分断するのではなく、100300にして分配することではないか。三分の一でも100になる。みんなが利益を生み出すのが大事なこと。行政はバランスを取るという意味で大きなことである。(婁先生)
A前提は連携の相手が見えているというものがあるが、本当は相手もわからない場合もある。困難は相手探しというところがあり、そこで行政の役割がある。そこでプラットフォームの話が出るが、中間支援組織的なプラットフォームが大きいのではないか検討事項である。あとは、コーディネータであり、相手探しから調整まで効いてくる。(石原氏)。

Q もずく餃子の取り組み、産地をブランド、計画生産。定価購入が大きな特徴と見ていたが、残っているのか?
A 本来のバイヤーの仕事はコストを下げて仕入れることだが、連携の中ではそれぞれが儲かることが大事であると気づいた。産業が成り立つにはどうすれば良いかを考えた時に、1つの考えとして定価取引につながった。単純には1が成り立ち、2が成り立つ、そして3が成り立つためにとして。

Q 6次産業化に対する評価をどのように考えるのか?のアイデアをいただきたい。
A 1つは単価が上がった。2つには産業連関表のようなもので付加価値がどれだけあったのかをみること(宮田氏)。
A まずは、客観的、定性的、あとは関係者のアンケート。(日高氏)
A 成果がでないといけないのでまずは経済性。あとは関わった方が異業種交流したことで産業の創出に繋がったかを見ること。子供の学力増加とか。(石原氏)
A 6次産業化は小さな経済だが、これによって本業が活性化するというメリットもある。始める時の歪み、外部性。(婁先生)
C 総合化は生業としてやっていることを起点とする。中間業者が始めた産業化は6次産業かとは分けた方が良いのかもしれない。企業が始めたものは新しいビジネスモデルとは分けた整理か。

Q 連携は重要、行政の役割が効いている。2つ質問、漁業の6次産業化は遅れていると言われるが、水産業の取得割合は高くなってきている。これをどのように評価するか?研究者の皆さんにより六次産業かの定義が違うように感じた。ばらつきは仕方がないが、一次産業を核としての進め方、定義としてのもの。企業において重要視されているので良いのだが、定義としてのいかがか。
A私は非常に低いと見ている。ただし、国の枠組みによるものなので、これ以外の独自に勧められている事例は含まれていない。漏れがたくさんあり、実態としてはたくさんある。ではなぜ出てこないのかの話になるが、6次産業化法の縛りがきついのではないかと思う。実際に漁村資源の数は実際にはたくさんある。海業とかは対象にしない。限定してしまう。この法律は農林漁業者が連携しているが、農商工連携は誰が主体になっても良い。何れにしても、私は6次産業化の方向性は進まなければならないと思う。ただし、制約が多いので、そこの分析は研究者の仕事である。6次産業化の定義は私はもう少し広くても良いと思う。(婁先生)
A 主体がどこかという点?いろんな意見があるが、一次産業が衰退する実情からすれば、私としてはどこから始まっても良いとは思うが、過大解釈しているところはあるかもしれない。(宮田氏)
A連携は一次産業が権利を持って初めて価値があるのではないか。取れる作物は似た地域でにかよるからという点もある。その意味でも、一次産業が権利をもつというのもある。(石原)
A未利用資源では漁業者が儲かっている事例があるし、既存よりもうけが無ければ何もしないし生産者にもうけがあるから成り立つのであろう。

Q 統合化計画が進んでいないという話はあるが、もともと水産業は加工流通と組み合わされていたので、そもそもあったのではないか。だから新しくする必要がなかったとも言える。最終製品まで持って行っての話である。6次産業化はあくまで沿岸漁業での取り組みなのだと思う。遠洋や沖合はないなら小さくなる。また、産地との距離を考えると、ビジネスは成立するのではないか。また、大企業の論理で仕組みが作られたから独自の取り組みが成立しないのではないか?
A 遠洋や沖合、沿岸とあるが、私は分けていない。むしろ、遠洋は進んでいるのかもしれない。取り組みは多い。個別経営体で実施している。なので、たぶんその辺の区分で違うということはなさそうだ。確かに漁業の六次産業化を進めると水産業になる。漁業を支えてきたのは専門家の専門性と分業。今の難しさは、利益が漁業に戻らないということ。6次産業化はその問題を打ち破るきっかけになるのではないか。(婁先生)
A それぞれの地域からあった組み立てというものがあるように思う。漁法によっては経済性を追求できないものもある。その場合は観光との組み合わせに。今までは中央から見て組み立てられたものを今からは地方から組み立てていく時代になったのではないか。(石原)未利用資源の利用と6次産業化が必要であろう。(宮田氏)
A地域の人たちをどのように守っていくかの視点で事業展開している。ストーリーや文化を、例えば昔からこんなことをしていたなど。ここにブランド化するのもよいが、島全体をブランド化する。良いものは東京で勝負する。(大江氏)
A 漁業は社会的な分業が進んでいるのでそれが独立していた。今はそれだけでは成り立たないから6次産業化の形がでてきたのではないか。生業をやっている人たちが中心になって始めることがスッキリした形には思う。その上でのビジネスモデルと考えるとよいのではないか。6次産業化の定義自体は小さいと思う。

スピーカーから
日高氏;地域全体での連携を考えるのが大事であると刺激を受けた。
大江氏;挑戦事例である。ぜひ海士町へきてほしい。
宮田氏;地域活性化の視点で6次化を捉えている。連携することによってどのような変化が起きたのか。問題の均一化。リーダー的な人が最初にいたと思う。その辺がうまく動き出したのが成功している。
石原氏;6次産業化は人材が育つしプラットフォーム型として予期せぬことが起こるし、貢献すると思う。一人だとできない理由を考えるが、連携で誰ができるかを考えるので貢献する。凡人が協力してできる地域活性化の仕組みを作ることができればと思う。
婁先生;1つだけ落とし穴がある。6次化の中で地域活性化をするというのと地域活性化を6次化でするというのは異なる。良いところを殺しかねないので、6次産業化政策の広がりは必要であろう。

メリットを作り出すことへ。
定義の問題は大事で、研究者から発信しないといけないだろう。