お正月に読みためていたものを防備録。
こちらの本は昭和30年(1955年)に司馬遼太郎さんが32歳で新聞社の文化部記者時代に福田定一の名で書いた「名言随筆サラリーマン」を原作としています。
すでに初版から60年が経過しますが、サラリーマンが身につけておくべき処世術としての普遍性を見事に突いていると思います。
個人的には親友道と仲間道、顔に責任を持つ、議論好きは悪徳、聞き上手の美徳、階級制早老、サラリーマンの結婚、停年の悲劇、二人の老サラリーマン、あるサラリーマン記者の論語が特に印象深かったかな。
タイトルは「ビジネスエリートの新論語」ですが、昔のタイトルの方が好きも・・(笑)
司馬遼太郎さんの原点を探る点においても、司馬遼太郎ファンの方は必読ですよ。
ビジネスエリートの新論語 |
「時代は、新聞記者に対して良き意味でのサラリーマン記者たるよう要請している。野武士記者あがりの私なども、昭和23年春現在の社に入って以来、記者修行よりもむしろその点にアタマを痛めることが多かった。しかし、スジメ卑しき野武士あがりの悲しさ、どうも無意味な叛骨がもたげてくる。そいつを抑えるのに苦しみ、苦しんだあげく、宮仕えとは、サラリーマンとはいったい何であろうかと考えることが多くなった。その苦しみのアブラ汗が本書であるといえばいえるのである。」
(本文より)
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