ページ

2017年8月23日水曜日

新宿二丁目七番地


佐藤史朗著「新宿二丁目七番地」
地べたに座って40年、靴磨きばあちゃんの教えより。

新宿二丁目七番地












東京・新宿駅前で40年、小石のようにうずくまり、靴磨きを続ける中村幸子さんをモデルにその人生を取材し、綴った記録となっている。
ずっとそこで続けていたからこそ分かるもの、人生の先輩からの教えが記されている。

○靴を見れば人が分かる
 靴の汚れは心の汚れ、靴は人なりとも言う。どんなに高級な背広を着ていても、靴が貧弱だったり、ひどい汚れのまま履いていれば、それこそサマにならない。おしゃれな人は足元にも気を遣うもの。

・お客には汚れた靴で恥ずかしい思いをしてほしくない
・働いているから健康で、心に張りがあるのよ。
・八十一歳になっても仕事があるのは幸せなこと
・靴の汚れは拭けば落ちるけど、汚れた人間の心は拭いてもダメだね
・生きている限り働くこと。八十歳、九十歳だって働ける。うちにいても一円にもならない。
・私たちは地べたに座る石ころだったね。
・お父さんが働かなくたって私が働こう。だから、私は一生懸命に働いてきた。
・今の時代は簡単に命を落とす。あの時代は、死ぬという意味と重みが今の時代とは違っていたよ。
・私だって貧乏よ。あなたも何でもいいから働きなさい。
偉い人、頭のいい人ほど頭が低い。威張る人ほど弱い者いじめをする者
・私の名前は幸せな子でしょう。だからみんなが喜んでくれるように幸せをあげたいの。
・死にたいときは歌を歌う。歌があるから私の人生は助かっている。
・年をとっても子どもに食べさせてもらおうとは思わない。
田舎の親を大切にしなさい。ひとりで大きくなったのではないのだから
・子供は質素に貧しく、そして強く育てなさい。
・新橋の街って、歌そのものよ。人間の涙と笑いと汗が詰まっている街だね。
・私は八十歳を過ぎて生きていられる。地べたに座れるだけでありがたいことよ。


(仙台生活145日目)




0 件のコメント:

コメントを投稿