このようなイベントもあるのですね!
カツオは気仙沼に来て最も捉え方の変わった魚のひとつ。
本セミナーではカツオが持つ生物や食料としての探求はもちろんのこと、地域発展の基礎や他地域との繋がりにいたる文化的な背景まで含めとても勉強になりました。
カツオ学会
http://www.katsuo-gakkai.jp/
入り口 |
会場からの景色 |
挨拶 |
講演の様子 |
講演の様子② |
パネルディスカッション |
カンパン |
のぼり |
鰹舟盛り |
懇親会場 |
防備録メモ
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あいさつ(東北大、川島秀一氏)
・東日本大震災の年に設立された。
・カツオに関心のある人は誰でも集まることができるという特徴がある
・今回は若林会長と久塚副会長にお話、熊谷部長から被災後の気仙沼さかな市場、その
後の総合討論で地域づくりのお話を計画した。
・気仙沼は全国の都市の中でもある時期にはカツオで一大生活圏を築く数少ない地域の1
つである。
来賓挨拶(菅原市長)
・震災後の関係者会合ででた目標はだだ1つ、カツオを迎え入れることだった。
・自然科学の分野で問題解決というではなく、文化など社会科学の観点からの関わり
・カツオシーズンに開催できたことをうれしく思う。
基調講演①
カツオ学の共創にむけて〜地域資源としてのカツオによる連携と協働〜(愛媛大学、若林良和氏)
1 過去7年における学会の取り組みと今後
・2011年1月8日、黒潮町で日本カツオ学会は発足
・日本カツオ学会参加の自治体;10県16市町
・目的;カツオとの上手な付き合い方を探りながら、みんなでつむぎあうこと(地域、領
域、学問、流れ)
・基本方針;①継続は力なり、②多元的社会、③小さくても存在感のあるもの
・日本カツオ学会のイベント;フォーラムとセミナー
2 カツオ学の提唱
・学問のための学問ではなく、産官学民の連携と協働によって試行的に「共創」された学
問的な体系;カツオと関係のあることがらすべて、カツオと人間に関わるストーリー
・カツオ学入門;ぎょしょく学
・第1 文理融合的な発想で学際的にカツオへアプローチする
・第2 カツオをフードシステム的に捉えてカツオ産業、カツオ文化を検討する
・第3 カツオの歴史的、地域的な繋がりに着目して検討する
・「カツオ学」の考え方を活かした「枕崎カツオマイスター検定;地元の人たちに価値を
理解してもらう目的;ご当地検定からの脱却;学界と産業界→検定推進協議会(産学
官)」
・共同→協同→協働
基調講演②
カツオの伝統的食価値を活用した新しい地域活性化
事例①
・価値あるものを届けるための保存技術(隠岐島海士町の事例;サザエカレー)
・CAS;凍らない状態でマイナスまで持っていければ;過冷却の状態を作る;磁場エネ
ルギーと振動を活用してマイナス温度帯まで;もともと生体移植の技術、安価になり食
べ物へ
・良い素材と保存技術があればそれだけで価値がある
事例②
・加工技術の大切さ;地域の良い食品素材を加工する
・瀬戸内ジャムの事例、周防大島
・生活者視点による顧客価値の増大を目指す!(利益額=顧客満足度の大きさ)
事例③
・熊本(熊本製粉)の玄米パンと沖縄大宜味村の蕎麦(高千穂精機のそば打ち機で誰でも
そば打ち名人に)
・超微細粉砕することで価値が変わる;新たな技術を加えることで、今までの素材の価値
が大きく変わる。
・気仙沼ならではの蕎麦があっても良い、ある程度のストーリーも。
・食品の価値を生み出す!1つでも強いが2つあれば・・;原料価値、加工価値、保存技
術価値、生活者視点価値、気仙沼ならではの組み合わせ価値、誰と組むか、どこと組
むか、情報は人が保有している。
・鰹湯(カチューユ、沖縄)、茶節(鹿児島);昔からある伝統食、続けられるには訳が
ある、科学が後付け;グルタミン酸とイノシン酸の組み合わせ、風邪に効く、相乗効
果、掛け算
・カツオは体全体の四分の一がタンパク質、タウリンも多く含む。
・銀皮作り;リジン、
・茅野舎さん(福岡)
・車1g1円、出しは2ー3円
・きんぷの価値;思い出を買っている、自慢できる
・命のスープ(辰巳芳子先生);カツオの出汁スープ
・ビルゲイツが100億円を投資;植物タンパク質の凄さ
・進化する人工肉;あり得ないインポッシブル、人工肉、カツオバーガー、ホヤスープ
①カツオの各地における健康価値とその科学性
②カツオの食品素材としての新たな付加価値視点
③伝統とは、革新の連続
④各地に見る、食を通じた新たな地域活性化(まずは、上位1%になる)
⑤伝統的価値の新しい捉え方による新価値創造
特別公演
気仙沼の水産業における震災復興の現状と課題(熊谷魚市場部長)
・関係者が集まり、気仙沼のカツオ水揚げシーズンの始まりである6月より魚市場の水揚再
開を目指そうと決起。
・例年の餌の40%を確保できた(沿岸漁協や定置協会の協力)、備蓄タンクの代わりに燃
油業界が協力、箱は内陸から協力
・漁船の受け入れ態勢の準備整う、冷凍施設は難しく、生鮮に限定していく。
・平成23年6月28日に再開後の初水揚げ船を迎えることができた。
・7月からはえ縄、8月に沿岸、9月にサンマと再開、その年に70%、翌年には80%の回復
・気仙沼の経営体数は154と増加など震災前以上に来ている。
・平成32年には高速道路気仙沼まで伸びる。
・およそ12万トン、カツオはうち3ー4万トンのシェア、ただしカツオは震災以後に3万ト
ンを超えることはなくなった。
・カツオは不良が6年間続いていると言わざるを言えない。
・始まりは変わらないが、特に終漁の時期が早まる傾向にある。
・以前は日本全体で10万トンだったが、今は5万トンを下回る。
・国際的には資源は安定していると言われるが、日本への来遊量は減少していて、危機感
を感じている。
・資源状況や来遊状況を見守る段階から次の段階へ進む時に来ている;カツオは日本の固
有文化
・気仙沼はある意味震災前よりも十分に復旧を果たして来たが、資源変化や加工技術、消
費動向の変化;大きな販売額の減少とカツオ原料の減少は大きい。
・対策として協議会を立ち上げ、輸出の強化、ブランド化事業を推進;気仙沼市生鮮カツ
オプロモーション事業
・これが気仙沼の底力というところを示したい。
一般公演
常磐〜三陸沖へのカツオ来遊量は何で決まるのか(西田ら、国際水研)
・常磐〜三陸沖に来遊するカツオの主群とは?(1ー3月亜熱帯域、)
・漁期の中でもカツオは成長していく、東北沖では1歳から1歳半(45ー55cmモード)主
体
・東北沖での分布水深は浅く(30mくらいまで)、高水温海域に南下するに従い深くなる
傾向常磐〜三陸沿岸の漁場形成に与える影響
・2年前の産卵親魚の熱帯域での産卵環境の条件→過去40年と比べると予測は悪くなさそ
うだ
・北上期1月における熱帯域の水温と北上期の日本周辺の水温→これも悪くなさそう
・漁期前5月のCPUEが参考;この時にとれていればという見方;
・黒潮俗流の影響も受ける
今期の来遊量水準
・過去10年では平均を下回る
・親潮系冷水の差込が予測され、分散の可能性もある。
Q:アニサキス問題、日経新聞の欄、鯨が増えるとアニサキスが増えるの論調あった。本
当?
A:芸能人が発信して意識高くなっているところもあるのだろう。
Q:予測のお話、今年は例年に比べて悪くないの予想、漁期が早くなっている。戻りカツオ
減っている?この辺りの理解は?
A:水温の影響で分散した。1つの要因だけで説明できない。鯖の生き残りが良いのは水温
が低い時でその時はカツオが良くない傾向。資源が小さくなっているので、海洋環境
で変化があると漁獲にも影響がでるところはある。
総合討論
○気仙沼市生鮮かつおプロモーション事業取組について
・江戸時代にカツオ釣り漁が和歌山から気仙沼に伝わったことに始まる。
○パネルディスカッション
小野建商店
・水産都市気仙沼の土蔵(クラ)、日本建築の素晴らしさ、銀行代わり、今はクラ
・昔の入札伝票や絵のチラシ、展示場作る。かつての古い
Q:クラの持つ価値は?(司会)
A:見てみたい。土蔵とクラがどのように結びつくのか?皆にその存在を知ってもらう時に
その意味を知ってもらう必要がある。個のレベルで、組織のレベルで(若林)
C:活用の道筋、どういうデザインが組めるのか。(司会)
Q:プロモーションについてどうか。(司会)
A:伝統とサイエンス。疫学的背景、だし1つを取っても塩分を取らなくても良い機能があ
った。歴史的な建屋や製法、吟味して現地で食べられるような大きな仕掛けが必要に
なってくるのではないだろうか。これによって、食材としてだけではない大きな価値
を含有する夢を感じた。
Q:手応えは?(司会)
A:消費者は三陸カツオが美味しいということはわかってもらった。歴史なり土蔵なりなど
など。本来丁寧に消費者に伝えることができれば消費者に伝えることができたので
はないかと思う。(阿部)
C:成分に行き着くが、環境要因によって多いとか少ないとか。地域の住民によって地域の
生物の宿命をその環境にさらされることに人々の健康に繋がる、必然として生き残り
に繋がる。カツオに置き換えた時にどうなるかを仮説として考えている。消費量が大
きいというのは美味しいからというのはあるが、健康維持に効いているから食べ続け
るというのもある。実際に都市圏での消費活用を考えた背景は?
A:消費はされるが、気仙沼産と認知されていない。
C:気仙沼産と認知を図る。消費拡大を図る。
C:気仙沼市におけるカツオの消費量は?総務省の消費ランキング、市民消費量にデータは
あるのか?
C:あることはあるが、どのように出ているか。
C:おいしい、健康にも効果がある。
C:手前味噌だが、カツオ消費が最も多いのは高知、2位は東北、茨城など多いの。高知は
2倍以上。漁場が近いとかもあるだろう。水揚げが多いことを持って消費が多いという
シナリオはあるが、高知が高い理由を仮説として考えた。美味しいと健康成分の指
標;その効果を実感できることで継続的に力学的に見ることができるというのはあ
る。
C:域外の人に訴えていく方法と域内に訴えていくことではストーリーが違うかも。
C:成分的に物が言えるというのは大きいと思う。
C:サイエンスは日々進化する;美味しいものを分析する;カツオがあれだけのスピードで
泳ぎながら疲れを取っている;差別化要因、戦略性のしたたかさ
Q:キャンペーンは観光にも期待できるが、出口として求めるものは?
A:カツオは足が速い。観光客に来てもらい、食べてもらう。消費地での売り込みも良いが
相手あるもの。ここに来て食べてもらうことが。真髄を伝える。
C:来た人にどうやって伝えていくのか。人間は脳で食べるというのが大事。そこで、人
の持つストーリーを話せる人々も求められる。
C:レガシーということでは他にも残っていないのか、つむぐということ。焼津と気仙沼な
ど、現在につなぐ形。気仙沼のカツオや焼津のカツオ
・次なる夢;フードペアリングの考え方、つまりは、組み合わせ
・食卓では消費者はメニューとして食べる。
・フードペアリングの価値を気仙沼から発信、その時にはお酒も飲む。
・カツオ専用ドレッシングなど、ストーリーとともに価値創造
・食材価値からメニュー価値へ、鰹のタタキ似合う赤ワインなど開発(高知)
・ブランド化; 食の魅力の発信
・ネーミング、基準とストーリー、例えば新口、釣り、地域の繋がり、20年連続日本一と
いう実績
・地元で食べることのできるお店が少ない問題。
・カツオ自体が持っている価値
・地域内が持っている価値をさらにシナジーが発揮できるように
C:甘い醤油、ポン酢など付け合わせが地域で異なるのではないか?
C:ヤマキはかつお節、血圧や血糖値を上げないという研究、世の中にはわかりやすい情報
にして発信するのが大事だろうと思った。たたきはあってもカツオの刺身はなかなか
食べることがなかった。地元の大きさ。ダシの立場からすると
Q:クラが整備されてからの活用?どんな活用があるか
A:カツオに関するものをすべて展示してもらいたい。大量の喜びを表すものとしてカンパ
ンノホカニ歌い込みもある。目で見せるだけでなく、耳で聞かせる。オーラルな面
を。文化的な面も入れる。
Q:五感に訴える。
C:新しいハードを作るのではなく、今まであったものに価値を与える。フィールドミュー
ジアムみたいなもの。市民レベルの連携など。
・二人のシナジー 阿部さんと小野寺さん
・発展、DEVEOP 中にあるものが解放されて、新しい物が生まれてくる。
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