新聞記事等にTPP・日EU等経済協定の成果が載っていたので、その要点を整理。
水産物に関しては、影響はほんとんどない、または限定的となっている。
<意義>
①日EU・EPAはアベノミクスの成長戦略の重要な柱
②本協定は、自由で公正なルールに基づく、21世紀の経済秩序モデル
③保護主義的な動きが広がる中、本協定の大枠合意は、日EUが自由貿易の旗を高
く掲げ続けるとの強い政治的意図を示したものであり、世界に対する強いメッセージ
→早期の妥結・署名・発効に向け、鋭意作業を継続
<概要>
(1)日本産品のEU市場へのアクセス(攻め)
□EU側撤廃率:約99%
①工業製品
・100%の関税撤廃を達成
・乗用車(現行税率10%):8年目に撤廃
・自動車部品:貿易額で9割以上が即時撤廃
②農林水産品等
・牛肉、茶、水産物等の輸出重点品目を含め、ほぼ全ての品目で関税撤廃(ほと
んどが即時撤廃)
・酒類については、日本ワインの輸入規制(醸造方法・輸出証明)を撤廃。自由
な流通が可能。
・農産品や酒類(日本酒等)に関する地理的表示(GI)の保護を確保
(2)EU産品の日本市場へのアクセス(守り)
□日本側撤廃率:約94%
(農林水産品:約82%、工業品等:100%)
①農林水産品
・コメは関税削減・撤廃等の対象から除外
・麦、乳製品の国家貿易制度、糖価調整制度、豚肉の差額関税制度は維持。関
税割当やセーフガード等の有効な措置を確保。
・ソフト系チーズは関税割当てとし、枠数量は国産の生産拡大と両立可能な範囲に
留めた
・牛肉は15年の関税削減期間とセーフガードを確保。
②工業製品
・化学工業製品、繊維・繊維製品等:即時撤廃
・皮革・履物(現行税率最高30%):11年目または16年目に撤廃。
(3)ルール
・他のEPAと共通する一般的な規定のほか、ソースコードの開示要求の禁止、国有企
業等の行動原則、著作物等の保護期間の延長、コーポレートガバナンス、規制措置
に関する情報交換等に関する規定を置くこととした
【水産関係】
攻め(日本→EU):ほたてがい(冷凍:8%)→8年目に撤廃
守り(EU→日本):
・海藻類(のり、こんぶ等)は、関税撤廃等の「除外」を確保
・あじ、さば等は、長期の撤廃期間を確保(16年目に撤廃等)
・漁業補助金については、禁止補助金等の対象外とした
水産物への影響については、9分類(①あじ、②さば、③まいわし、④ほたてがい、⑤
まだら、⑥するめいか・あかいか・やりいか、⑦かつお・まぐろ類、⑧さけ・ます類、⑨うなぎ)
に対して影響を査定;
・あじ、さば、かつお・まぐろ類:日EU・EPAによる影響は限定的と見込まれる
・その他5種:日EU・EPAによる特段の影響は認められない
(仙台生活220日目)
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