今日は第46回北日本漁業経済学会に参加してきました。
テーマは漁業新規就業者と後継者についてです。
Q 自治体、漁業者団体の連携状況はどうか?何が大事でポイントになるか?
・みんなで共有して受け入れ体制を指導していく。
・地元の企業担当の熱意、地方創生などの仕組み(水産政策に限らず)、漁家に限らず地
域の取り組みとして受け入れる側の本気度
・県が中心となって方向性を示しながら業界団体(漁協等)と意見交換し、仕組みを作っ
ている。魚を獲るのはもちろんだが、個々の意識の中では「魅せる漁業」としてファンを
獲得していく努力も必要である。
・誰が中心になるのかが大事(普及員、漁協)、連携について、行政はできるし入りやす
いが、難しいのは漁協と任意団体(総会で承認を得る)
・実態として自営化を望まない者もある。彼らは将来像を変形しながら進めている。あと
は、後継者がいるのに労働力として人材不足を補うだけ事例がある(モラルハザードの問
題)※。第3者継承型の問題は契約とか。
・親方の人間的魅力は大きい。岩手県は仕組みとしての制度はあるが、実態としては今、
整備が動き出したところである。研修が始まった後に、はしごを外された研修生とかの事
例もある※。
※本来は一番ケアされなくてはならない事項
・対策としての予算はあるが、入り口から出口に至るステップ、独立型や雇用型などのス
キームに対していかに円滑に進めることができるかが大事である。
・相談できる相手の存在も重要
Q 水産系の大学、水産高校からの就職は?
・商船へのパスが人気高い、求人票や母親の意向、社会的地位の向上;漁業と商船で待遇
が違いすぎる(就職1~2年でランクルやベンツにのれる)。
・水大校の海技士⇒全員が商船会社に就職(水産系列なしの傾向)。商船は水産業の一分
野という論理でいる(文科省)。従前から水産高校は遠洋漁業との関わりを重視、沿岸漁
業は軽視されてきた点も見逃せず、まさに今から改革を進めないと手遅れ(水産高校の就
職担当先生が地元の沿岸漁業を知らないことも多い)。変わらずにきた弊害、人材供給機
関「かみ合わない教育」として。地位としては、誰も機関士になりたがらない実態(船内
でも地位が向上しない)もある。
Q 独立型、Iターン、Uターン、人としての特質に特徴はあるか?(会場)
・将来どうなりたいか?フェアに来た段階で多くの人は独立型と雇われ型のどちらに進み
たいか意思を持っているパターンが多い。
・あくまで本人の働き方、考え方による;あとは地域性や慣習(正組合員、準組合員)も効いてくる。
Q 制度として国が漁家子弟を支援しない理由と今後の動きはどうか?
・八百屋の後継者にもお金を出すのか?の論理があった。Iターン者に対しては経営体を増
やすという論理展開でOKとなった。経営体を増やすことを税金投入の理由としていること
から、同じ船ではダメとなり、漁家子弟は不可。定着率が高いのは確かに漁家子弟であ
り、地方が先んじて制度の穴埋めに動いている(山口など)。国(水産庁)もアイデアを
練っている。
会場の様子 |
北大函館キャンパス |
校内の様子 |
函館山 |
追記:新聞記事
水産経済新聞2017年11月21日付 |
(仙台生活223日目)
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