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2020年2月3日月曜日

海洋プラスチックごみの現状と対策

東京海洋大学の東海先生から「海洋プラスチックごみの現状と対策」と題した講演をいただきました。

久々に先生とお会いできました!
学びのひととき、ご多忙中のところ、仙台までお越しいただき感謝です。

ありがとうございました!

東海先生の講演



















○環境衛生問題に関する講演
海洋プラスチックごみの現状と対策~調査研究から分かってきたこと
               東京海洋大学副学長 東海 正 教授

(内容)
1. 海洋プラスチックごみを巡る世界の話題
2. 海洋マイクロプラスチック汚染とは
3. 海洋ごみ問題(海岸漂着、漂流、海底、河川から)
4. プラスチックの基礎知識(生産量、排出量、特性)
5. 海洋大による海洋プラスチックごみ調査結果
6. マイクロプラスチックの研究紹介、生物への影響
7. これから取り組むべきこと:プラスチックの3R

(ポイント)
・海洋プラスチックごみを巡る問題は、SDGsやパリ協定と同じ2015年頃からでてきた
・2010年に192の沿岸国で27,500万トンのプラスチックが生産され、毎年800万トンが流入すると推定
・日本はリサイクル率が高いものの、熱回収によるサーマルリサイクルが主体、サーマルリサイクルは海外ではリサイクルと認められていない
・有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分を規制するバーゼル条約では、リサイクル
に適したきれいなプラスチックごみの範囲を明確化している。
・プラスチックの大きさによる分類
①マクロプラスチック:元の製品が判別できるほどの大きさ
②メソプラスチック:5mm<大きさ程度の微細片
マイクロプラスチック:数μm<大きさ<5mm程度の微細片
④ナノプラスチック:大きさ<数μm
日本で製造・利用されるプラスチック1,000万トンのうち、漁具として製造されるのはおおよそ2万トン(全体の約0.2%)
・日本周辺の海洋ごみの実態
①漂流ごみ:西高東低(東シナ海で特に多い)
②マイクロプラスチック:世界トップクラスの分布密度
③海底ごみ:その海域の近接する地域や海域の利用状況を反映
・人々の健康リスクについては、さらに研究が必要
・水産庁と環境省の支援事業で漁業者による漁網に混入した漂流ごみ等の回収や持ち帰
りを奨励

Q:プラスチックストローの代わる木製ストローはどうか?
A:十分な木材原料があって、商材として市場供給できるのであれば結構なお話
C:長期間をかければ生分解性プラスチックは自然の中に戻っていく性質のものであるが、問題は分解されるまでの時間である。漁具の事例だと、生分解性プラスチックであっても、海洋への遺失後しばらくは普通のプラスチックと変わらない挙動をとることが分かっている(ゴーストフィッシングの機能は残る)。自然界の中でどの程度の時間で消えていくのかが大事で、分解能については今の時点では判断できない。コストの問題もあるだろう。


(仙台生活1,025日)



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