東北大が主催する第6回G2SD-SDGsワークショップ「SDGsとパリ協定が動かすビジネス」(UNEP
FI特別顧問・末吉竹二郎氏)に参加したのでメモメモ。
○私の時代認識;21世紀を動かしていくのはSDGsとパリ協定、ともに2015年に生まれた
・ビジネスでは創造的破壊が始まった;新しいものを作るために古いものを壊す→どこの国、地域、企業であれこのインパクトを逃れることはできない。
○低炭素(low-carbonization)と脱炭素(de-carbonization)
・低炭素は減らせば良い、排出が残ってもかまわない;脱炭素は「最初から出さないことを目指す」いつか必ずゼロにしないとダメ
・“低”と“脱”は別物
○地球温暖化の現実;深刻さを理解し、危機感を持つこと
・観測史上一番の暑さ、観測史上最も暑い夏、最近5年の数値がトップを占めている実態
・現在のCO2濃度は415ppm(500万年前以降初);産業革命前後は280ppm
・保険料金の引き上げ;2018年度の損害保険料は1.6兆円と過去最大、保険料は5~10%の値上げへ、損害保険が成り立たなくなってきている
・IPCC1.5℃特別報告:Global Warming 1.5℃
⇒ 2℃と1.5℃で被害には大きな違い、1.5℃に抑えるには2050年頃にはNet Zero が必要になる。
・“Hothouse Earth”risk(ヨハンロックストローム博士)
平均温度があと1℃上昇すると、地球は温室状態となり(ホットハウス)、元へ戻れぬまま4~5℃上昇し、大部分は人が住めなくなる。
・Climate Change 気候変動→ Climate crisis 気候危機へ 世界の認識
・Net Zeroの流れがはじまった;イギリスではメイ首相が6月にNet Zero by 2050を法制化、英国議会で可決
・米国ではグリーンニューディール法案提出;民主党の大統領候補、気候変動が大きなテーマに⇒アメリカは何もしてないように見えるが、足元では動いている
※州レベルではネットゼロを目指す中でどうビジネスするかに移行している
○パリ協定を支えた再生可能エネルギーの台頭
・カナダ7割、ドイツ4割、日本1.8割を再生可能エネルギーでまかなっている
・日本の2030年目標は火力56%、原子力20%、再生可能エネルギー20%程度
・1kw/hあたり再生可能エネルギーは2円、日本は平均で15円を支払っている;再生可能エネルギーは安いから増える。
・世界のビジネス RE100;世界で203社、日本で25社が参画;自社のエネルギーは2050年までには再生可能エネルギー100%にするという組織
・RE100は安価、安定、長期の電力でアップルとグーグルは達成
・ビジネスの中で取引するにはRE100が暗黙のうちに必須になっている(ビジネス条件になっている);このような流れが出てきている。
・世界最大の太陽光;豪州“Sun Cable” 10GW 200億ドル(約2.2兆円)
・再生可能エネルギーの台頭は地政学をも変えはじめた(中東依存のエネルギーが変わる)
・自動車はエンジンからモーターへ;フランスは2040年以降のエンジン車の販売を禁止、英国も追随(2017年7月)
・エネルギー革命の中でこれまで想像できなかったビジネスやビジネス相手がうまれてきている。
・Amazonはゼロエミッションを目指している;リビアンのEVを準備;ビジネスにもインパクトを持つようになった。
・コカコーラが業界団体(米プラスチック協会)を離脱へ
・JCLP:日本の再生可能エネルギー目標の引き上げを(RE100参加企業+アップル);イオン、ソニー、積水ハウス、富士通など
・気候変動イニシアチブの拡大→日本企業の変化(国策が間違っているときに個社名で)
Japan Climate Initiative
(SCI, 2018年7月から)
・今年8月、米Business
Roundtable:「株主第一」から「社会第一」へ;「株主への経済的リターンを生むため」から「顧客、働く人、サプライヤー、地域社会党のため」へ
○金融界の動き
・Mカーニー英中央銀行総裁の警鐘
・①物理的リスク(自然災害など)、②訴訟リスク、③移行リスク(政策・技術・物理的変化による資産価値の再評価)
・移行リスク(座礁資産)の始まり
・SHELL環境問題の対応次第で存続の危機
・石炭火力発電は技術的には30年持つが、経済競争力は5~10年で終わる
・中国は国の政策転換、座礁資産から引き上げろ;日本の石炭政策には批判がある
・TCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース):気候リスクが財務データ化され、金融システムに組み込まれた、その結果、金融の伝統的審査文化が破棄されるだろう
◎どの事業がこれから移行リスクを持つのか、逆に投資のチャンスを持つのか、この視点から見ていく必要がある
◎地方自治体の中では、何がInvestableで何がUn-investableなのかを考える必要がある(移行リスクを読む)
○SDGs
・Transforming our world 経済モデルの入れ替え
・①An
inclusive economy(排他的→包括的経済)、②A circular economy(直線→循環型経済)、③a
sustainable society(成長一本槍→持続可能な社会)
※17項目のどこかに関わるから良いではなく、繋がっているという認識を持つこと
・Climate risk = Business
risk
・パリ協定とSDGsへのシフトの中に経済発展のカギがある「新しい流れに乗れ、でないと取り残される」⇒いかにシフトに関わっていくか
講演の様子 |
案内 |
(仙台生活911日)
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