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2016年6月9日木曜日

水産セミナー2016(第5回講座)

気仙沼市と東京海洋大学が共催する水産セミナー2016 の第5回講座(今期最終回)に参加してきました。毎回が勉強になります。以下、忘備録として。

・水危機についてはすでに2015年1月のダボス会議で「潜在的な影響が最も大きいと懸念
 されるグローバルリスクは水危機である」と報告されている。
・主なところでは、(1)人口増加の二倍の速度で水利用が拡大していて、2025年までに
 世界人口の3分の2が水ストレスに暴露されると想定されている。
・また、(2)世界人口の9人に1人が改善された水源に飲み水を求めることができず、3
 人に1人が改善されたトイレを利用できない結果、毎年約350人が命を落としている。
・さらに、2000~2006年の間、洪水や高潮等によって、30万人にも上る人々が亡くな
 り、4220億ドル(約50兆円)相当の被害がもたらされている、など。
・3分の1ルール
・マーケッティング→作るが正しい順番
・価格訴求から勝ち訴求への転換

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<会議メモ>

1. 開会

2. 挨拶
 気仙沼市・菅原市長
東京海洋大学・東海正副学長

3. 講義
今後の食の環境と私の仕事観(日本ハム株式会社、小林 顧問)

・バーチャルウオーター:食料を輸入している国において、その輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要になるのかを推定したもの。
・安定した水資源の確保と自給率の向上(フードマイレージの見直し)
e.g. ハンバーグ100g作るのに必要な水の量は約1.9トンが必要になる。
・先進7カ国自給率:カナダ(159%)、フランス(129%)、アメリカ(127%)、ドイツ(92%)イギリス(72%)、イタリア(61%)、日本(40%)
・国策として食料安保政策を進めないと今後は大変なことになる。
・食品廃棄物発生量は5年間で390万トンの削減:飼料、堆肥、燃料などにリサイクルされる割合は85
・国内食品ロスは2012年推定で642万トンだが、50%は家庭から出ている。
・流通業階の商習慣:3分の1ルール
・賞味期限が3分の1(半年の商材であれば2ヶ月)を過ぎると小売に納品できない、返品廃棄となる。
・日本においてもフードバンク運動の活性化が必要。
・近い将来への食料需給の課題:先進国の中でも最低の食料自給率、地産(ものづくり)、物流、流通の連携強化、6次産業の育成と地産地消・地産外消の醸成、規制緩和により、強い水産業・競争力のある産業の育成、品質に対する安全安心への担保
・価格販売から価値販売へ
作ってからマーケティングをするのではなく、マーケティングから作るのが大事である。
・グローバル化の中で強い競争力を持つ!
・何が何でも自給率を上げる。
・私の仕事観:顧客満足の視点に立ち物事を考える、現場、現物、現実三現主義、仕事そして生きる上でのモットー;意地、知恵、情、和のバランスを持って対応する、相手の人格、人望を尊重し、相手の目線に合わせて対応する。
・忍耐することが大事である。
・ニーズをどう捕まえるか、地方の特色をいかにPRしていくのか、消費者にどう付加価値を提案していくのか、特色をどのように消費者に売っていくのか?、新鮮な魚を食べさせる。
・消費者のニーズは間違いなく変わっている
・価格から価値へ変わってきている:価格訴求から価値訴求にいかに変えていくのか、どうチェックしていくのか、どんな商品を作っていくのかが大事である。

4. 質疑応答
Q:日本が水産で世界と戦うことを考えると、どのような戦略を持てば良いのか?(東海副学長)
A:漁業協定、北欧は秩序ある漁業をしている。付加価値訴求のできるような製品開発、流通と一体となって。(小林顧問)
Q:マリンフーズを傘下にして81年、日ハムはもともと食肉が専門の会社であるが、水産のお仕事、水産ビジネスを始めるにあたってここの部分を水産に加えたとか、ここが欠けていたから水産に加えたとか、ポイントがあれば教えて欲しい。梨田監督の後に栗山監督を抜擢した判断根拠も教えて。(菅原市長)
A:水産由来の調味料、畜産由来の調味料をいかに添加して作るかが加工のポイントにな 
  る。また、副産物をいかに活用できるのか。水産でもどの調味料をブレンドしてい  くのかが大事である。監督はどこのチームでも5年を目途にしている。名選手は名監  督ではないというのはある。栗山監督はやはり人格。もちろん、能力があるから採  用する。日本ハムのドラフトは少年野球から選手を注目して見ている。(小林顧問)
C:マリンフーズは気仙沼で大変お世話になっている。今の時代の加工品は即食性や簡  便性はもちろんだが、もう1つの要素は美容性が挙げられる。今後ともよろしくお願
  いする。(マリンフーズ社長)

5. 閉会



セミナーの様子




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