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2016年7月27日水曜日

気仙沼・南三陸の今を知り、その未来を考える

気仙沼・南三陸の今を知り、その未来を考える!
(気仙沼地方振興事務所長、大森 克之 氏)

職員研修の記録からです。

所属長が普段考えていることやメッセージを職員に直接に伝える場があるということは、お話の中身が大事なことは言うまでもなく、職員が一堂に顔を合わせることによりチーム力をあげる意味でも重要なことと言えます。

今回の講演は所長判断と聞きました、このような機会を作っていただいたことに感謝です。 

講演の様子













お話は基礎データの見直しが中心でしたが、そのような中からも気づきをいただきました。

地方では「人口減少」や「消滅都市」を問題視する声を良く聞きますが、どの程度本気で考えているのか?実際に自分の自治体の人口や世帯構成を知らないままに叫ぶだけ叫んで終わりというパターンもよくあります。

人口減少は確かに直面することになる大きな問題ですが、ならば人口が増えればよいのか?というと単純にそうではないでしょう。

観光で人を呼び込むことは大事、でも地域にそもそも魅力がなければ一瞬の流行として終わる。

地域を客観的に見直し、地域資源を活かしながら人口減少や高齢化の中でいかに「地域力」を高めていくかが問われているのだと思います。

提示されたデータを見つつ近い未来、そしてその先にあるものを思い描きながら次の一手を考えてました。


<講演の記録>
はじめに
・リアスアクティブ21という地域づくり団体でお話をした内容になっている。
・若手に聞いて欲しいと思い、地方部にお願いして実現した。

 1. イントロダクション〜気仙沼・南三陸と私
・リアスアーク美術館は県が整備して地方に移管した。(仙南のエズコホール、石巻のサ
 ンファンカンなども同様)

2. 気仙沼市・南三陸町の人口や産業等の動向はどうなっているの?
・「人口、学校、産業等の(水産、観光)、福祉(介護)・・」
気仙沼市66,330人、南三陸町13,717人で管内は80,047
・高齢化、高齢者の1人暮らしが増えている。
・推計人口は積み上げで実態に合っている、基本台帳は住民票(住民票は置いているが、
 住んでいない)
・南三陸町は国勢調査史上で最も人口が少ない。
・将来推計人口:気仙沼市は2020年に62,561人、2030年は52,394人、2040年は42,656
 人と10年ごとに1万人の減少傾向と予測。(推計制度は高い:国立社会保障・人口問
 題研究所)
・将来推計人口;南三陸町は2020年に14,448人、2030年は12,385人、2040年は10,387
 人と予測。(推計制度は高い;国立社会保障・人口問題研究所)
・消滅可能性都市(子供を産む女性の数を算定根拠にしている):気仙沼市、南三陸町と
 もに含まれる。
・観光客の入り込み数は宮城県全県では戻りつつあるが、気仙沼・南三陸町の入り込み数
 は6割程度にとどまる。
・平成3年の大河ドラマが放映された時に入り客数は多かった。
・インバウンドはその時にも一度話題となった(今に始まったことではない)。
・要介護認定者数:管内は4,920人、高齢者人口比率では17%で全国平均並み
社会的共通資本:自然環境、社会的インフラストラクチャ、制度資本

 不易流行:今までと同じであるために変わらなければならないもの、かわらなくてはな
 らないもの

3 未来を考えるヒント「宮城県ICT利活用ビジョンから」
攻めのICT(新たな付加価値の創出や新規サービスの提供などのためにICTを利用する
 点
 ・ 守りのICT(業務効率化や簡素化などにICTを利用する視点)
・攻めのICT:匠の技×ICT:作業効率の向上と技術の底上げ
・農業は経験科学ICTは役立つ
・水産はタラの雌雄判別、加工の場での選別等への適用
・クラウドサービス:雲、空間
・クラウドソーシング:群衆
・人口減少×スマートエイジング×ICT   3の場所 ICTの力も借りながらできないか?
・大島にある龍舞崎の乙姫窟はぜひ訪問してみて。


社会的共通資本の確認(宇沢先生のスライドより引用)

・ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的 に魅力ある社会を持続的、安定的に
 維持することを可能に するような自然環境や社会的装置。
 • 社会全体とっての共通の財産であり、それぞれの社会的共通資本にかかわる職業的専門化集
 団により、専門的知見と職業的倫理観にもとづき管理・運営される。
 • 一人一人の人間的尊厳を守り、魂の自立を保ち、市民的自由を最大限に確保できるような社会
 を志向し、真の意味におけるリベラリズムの理念を具現化する。

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